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2010年2月13日 (土)

全巻もってる漫画達③

とりあえず4、5冊は紹介したいなと思っているこの企画。第三段はこちらです。

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王様の仕立て屋 ~サルト・フィニート~ 漫画のジャンルは無尽蔵と言われる日本にあってもきわめて稀少(というか唯一?)の、服飾を題材とした作品です。

ストーリー(若干のネタバレを含みます):
イタリア・ナポリの場末にてサルトを自営する日本人、織部悠。ナポリで最高と謳われた亡き師の技術を受け継ぎ三つ揃え(ジャケット・ベスト・パンツ)はおろかシャツ、ネクタイ、靴下、コートまで仕立てられる(仕立て世界の常識ではありえない)腕を持つが、若くしかも異邦人であるため彼に舞い込む依頼はみな他の職人が匙を投げた無茶な注文と、それを抱え切羽詰まった客ばかり。だが悠がそんな客の人生と相対し、針と鋏を手にしたとき、仕立てた服は客の人生をも動かす…平たく言うと服飾版ブラックジャック。今の自分が部屋に置いてある漫画で、ムダヅモと並びなんとなく手にすることの多い作品です。

テーマがテーマですのでヨーロッパの服飾文化や素材に対する解説はとても豊富で詳細、同時にナポリや作中で悠が出向くフィレンツェ、ロンドン、パリ、ニューヨークの文化についての解説も詳しく、トリビア大好きな自分にはたまらない作品になっています。また作中で取り扱うネタの広さからか某2ちゃんねるの掲示板も異常に知識の守備範囲が広い人が集まっており、脱線が日常茶飯事となっています(しばしば、行き過ぎた脱線もあり)

また人生に対する格言的なセリフが多いのも一つの特色と言えます。個人的にその中でも気に入っているのはこの二つ

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過ぎた時間は取り戻せないが無駄にしないことはいつでもできる

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人生嫌いなものがあるってのは単純に損

上は今自分が人生の指針としている言葉の一つ、下は自分がまだ辿り着けていない心境という感じです。 やっぱり人間、腹が立つときは腹が立ちます

最近は主人公の織部が職人として完成してしまったため話の中心は彼より若い世代の成長が中心で、彼はよきアドバイザー役という感じ。現在25巻まで刊行され、そろそろまとめに入っているのかなと思わせる描写を混ぜながらも、のんびりじっくり続いている作品です

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