たまには映画の話とか
最近旅行記ばかり書いていたので、たまには別の内容を…というワケで今回は今日見た映画「南極料理人」について紹介したいと思います(ここから先の、同作品のネタバレを含みます)
1997年、南極の沿岸近い昭和基地から内陸に1000km離れたドームふじ基地、年平均気温マイナス50度、ペンギンやアザラシはおろかウィルスさえ生存できない極限の環境下で八人の隊員とともに一年を過ごした海保派遣の調理担当、西村淳氏が綴ったエッセイ『面白南極料理人』を原作としたこの作品、本が面白かったことと主演が自分の好きな俳優、堺雅人さんだったことから見に行きました(堺さんは大河ドラマ『新選組!』でファンになったのですが、当の大河ドラマ自体は堺さんの演じる山南敬助が死ぬ直前で見るのを止めちゃってます…)
この作品、見る前ずっと疑問だったのは
“どうやってあの本を映画化するのか”
でした。落盤やら猛吹雪の中で補給が途絶えるやらの絶体絶命な危機的状況があるワケでもない(実録物なので、そんなのあったら困ります)、大恋愛もない、サスペンスもない、隊員がどんな仕事をしているのかとか、皆の誕生日や南極の冬至(ミッドウィンターと言って世界中の南極観測隊にとっての祝日)にどんな物を作って宴会したかとか、皆がどんだけ酒を飲んでいたのかとか、そういうのを面白おかしく淡々と綴ったエッセイ、これで映画としての起承転結をどうやってつけるのだろうかと。実際映画を見てみたら、本に載っていたそれらのエピソードを映像化して、ショートストーリーをいくつもつなぎ合わせる作品でした。
料理人が主人公の映画なので、食事の描写はかなり凝っています。普通に美味しそうな豚汁やおにぎり、作るまでの展開から実物を見た隊員の反応までが笑える伊勢海老のフライ、ミッドウィンターに正装して食べるフレンチのフルコース、そして火力不足の中でローストビーフを作るにはどうするか、日本の中華麺では不可欠なかん水が無い状態でラーメンを作るにはどうするかという工夫など、どれもがとても印象的、特にラーメンの描写は終盤の大きな見所の一つで、ラーメン屋の売り上げにも少なからず貢献していると思われます(自分も映画見たあとの昼飯ラーメンにしました)。
全体的に少しの泣きどころと沢山の笑いどころ、そして手に汗握るところは皆無(あえて言うと一箇所半分ギャグですがホラーじみた描写が…)、そして見終わったときにはほのぼのとした気分になる映画でした。DVDとか出たら、たぶん買います。
南極料理人、テアトル系の映画館で絶賛上映中、オススメです。
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